「地下アイドル」というフォーマットの限界

私は今珍しく、声優を名乗っていない地下アイドルの現場に通っています。
結城アイラサウンドプロデュース「iRiNE」という地下アイドルグループです。
結城アイラのことを知らない人のために説明すると、初期は梶浦由記のFictionJunctionにASUKAという名義で参加し、その後「結城アイラ」名義でメジャーデビュー、アニメタイアップで歌唱したり、アニメや声優コンテンツに多数の楽曲提供をこなしています。
そんなiRiNEですが、先日一周年ライブを行いました。
内容は大満足で新曲も良くその日は気持ち良く寝床につきましたが、翌日謎の賢者タイムに見舞われたのです。
結城アイラサウンドプロデュースだけど、あまりにも地下フォーマットに囚われすぎていると。
私はiRiNEのすべての曲を高く評価しているが、なんというか地下アイドルのフォーマットという檻に閉じ込められているような気がしてならない。
今日はこのことを長々と書いていき、私の違和感の正体やボトルネックを探ろうと思います。
他のユニットとの比較
結城アイラはかつてNOW ON AIRという声優ユニットのサウンドプロデューサーをしていたことがあります。
iRiNEの楽曲がNOW ON AIRの楽曲と比較して劣るか?と言われればもちろんNoです。
しかし、iRiNEは「水色の決心」以降のリリースではBPM高めのシリアス調な楽曲しか出さなくなりました。つまりは地下アイドルオタクに受けやすい曲調ということです。
iRiNE初期にあった「NOW ON AIRの新曲」を聞いていたような風味は薄れてまるで地下アイドルファンに忖度するような楽曲をリリースし続けるようになりました。
ただ、先日のワンマンで発表された新曲のうち1曲「embrace」はシリアス調ではあるもののBPMが気持ちよくオタ芸できるぐらいまでは落ち、ワンマン時のMCではメンバーの口から、先行して出ていた「echoes」と新曲の「evolve forward」「embrace」を合わせた3曲で「三部作構成」になっていることが明かされました。
この三部作がすべて出揃ったならこの次に出る曲は一周回って結城アイラ風味たっぷりな曲が来ると期待したいですが、直近のリリースがシリアス調に偏っているため、全体としてもバリエーションが狭まる一方なのでは?と悪い予感がするのも事実です。
(なうおんの楽曲は全20曲ちょいですが、このような偏り方はもちろんありませんでした。)
原因を考察
プロデューサー/ディレクター説
結城アイラ氏はサウンドプロデューサーではありますが、曲を出すタイミングはプロデューサーやディレクターなどが決めていて、おそらく、プロデューサーが大まかな楽曲の枠組みを考え結城アイラに発注していると推測しています。
つまりはプロデューサーなりディレクターが地下アイドルオタク受けするような楽曲になるように発注していると考察することが可能です。
プロデューサーが結城アイラにリファレンス曲として類似の楽曲を渡しているのであればその枠に収まるほかありません。サウンドプロデュースを任せてるのであればもう少し発注内容を抽象的(例:〇〇のような楽曲にして/BPMがいくつでこういう尺があり~→真夏の空に輝く太陽を背景に初恋の相手に思いを伝えるような感情を曲にしたい)にしてサウンドプロデューサーの枠組みで曲作りをさせるべきかもしれません。
タイトルの「地下アイドル」というフォーマットの限界とは結局本当に人気が出るまでは客層に振り回されるのではないか?という意味も含まれています。
サウンドプロデューサー説
1番薄い線ですが、結城アイラ氏が地下アイドルファンに忖度したり、たまたまそう言う方向性の曲を作りたい時期だったりする場合はもしかしたらそうかもしれません。
ただ、それが真としたとしてもその中でレベルの高い合格点を超える楽曲 オールウェイズ出してくれるのはほんまに助かってます。ありがとう結城アイラ。
予算説
なうおんとiRiNEの一番の違いはもしかしたら予算かもしれません。
なうおんは天下のランティスなので予算も潤沢に使えたからかもしれません。(天空作曲家の作編曲費用は25万〜と聞いたことがあります)
地下アイドル規模の作家だと10万〜ぐらいが相場とききます。私は2万ぐらいで地底アイドルに曲書くこともあるよ。
予算が低いからと言っていい曲が出来ないことはないと思いますが、例えば結城アイラと付き合いが長くお互いの勝手が解ってる作家に頼むのも、予算が低いなら難しいかもしれないです。
あと、iRiNEの曲はあまり音が良くないです。地下アイドルに音を求めるのは間違っていると私は言い続けてますが、透き通る曲調だったり青空を感じさせるような曲調でさえミキシング側でそれがうまく表現できてるようには思えません。狭い空間に声が張り付いてくる一般的な地下アイドルのような音がしています。
クレジットを見ると作家がそのままミキシングしていたりすることもしばしば見受けられます。
これは別に(地下アイドルとしては)重要な要素ではないですが、なんならなうおん(ランティス)も別の意味で評判通り音は良くなかったです。ただ、あちらがメジャー特有の音圧重視による悪さだとすれば、iRiNEは低予算からくるチープな悪さ。逆に言えば低予算を裏付ける確かな要素とも言えるでしょう。
暴論を吐くと地下アイドルは総じて音が悪いので、これも地下アイドルのフォーマットの限界を感じます。
地下アイドルというフォーマットの限界
地下アイドルはライブ活動がメインであるため、地下アイドルファンが好きな曲調で勝負する必要があります。たとえばイコノイジョイ/カワラボぐらい人気であれば好きな曲をやり続けても良いでしょう。
ただ、地下アイドルは集客が全てです。
集客悪ければメンツが豪華な対バンにも呼ばれないどころか、メンツがどんどん貧弱になっていく。
地下アイドルのオタクの遊び方は令和に入ってからmixコールマサイぐらいに集約され、それに合う曲が求められている。
バラードなんか出した日にはオタクからブーイングが飛び、対バンでは披露されない。
そのため純粋な曲の良さでは勝負できない。
著名な方をサウンドプロデューサーにしても、集客により収益を挙げられなければ新曲も作れない。
これが地下アイドルフォーマットの限界なのかと感じさせられる。
地下アイドルで本当にやりたい曲調で勝負した運営は本当にギャンブルで、ハマっていいラインに居続けるか地底に落ちるかの2択です。
地下アイドルの大手事務所が楽曲派的なアイドルグループを作らず出がらしのお茶っ葉を使いまわすように同じようなグループを作り続けていることを考えると本当にギャンブルであることが伺えます。
iRiNEがこの「地下アイドル」というフォーマットに縛られない楽曲を今後リリースすることを願いながら今日は筆を置きます。
追記
あのあと対バンいったらembraceが所見の印象よりシリアスってよりは中間をとってる感じで神だった!!!!!!!!!!ありがとう!!!!!結城アイラ!!!!!!!!!




























